Featuresエルビウムヤグレーザーの
5つの特徴
痛みの少ない歯周病治療
エルビウムヤグレーザーは、従来のレーザーと比べて非常に痛みの少ない治療が可能です。
その理由は、「水分に吸収されやすい」という特性にあります。照射されたレーザーは、組織表面の水分に反応して蒸散するため、表面だけに作用し、深部まで熱が伝わりにくくなっています。その結果、発熱が抑えられ、痛みも最小限にとどまります。
さらに、レーザーの先端から水を噴射しながら患部を冷却して治療を行うため、安全性がより高まります。痛みが非常に少ないため、多くの場合、注射による麻酔が不要なのも大きな特徴です。
身体に負担がかからない歯周病治療
エルビウムヤグレーザーは、歯や骨への熱によるダメージや、黒焦げなどの心配がほとんどありません。
その理由は、レーザーの照射範囲が非常に狭く、また「蒸散」という反応が照射部の表面だけに作用するためです。
照射による熱の影響が周囲や組織の深部にまで及びにくいため、エルビウムヤグレーザーを使うことで、身体への負担を抑えた歯周病治療が可能となります。
歯周病などの治癒が早い
レーザーの熱には高い殺菌効果があるため、細菌が原因となる虫歯や歯周病、根管治療において効果を発揮します。
さらに、レーザーには治癒を促進する作用もあるため、歯ぐきの切開などに使用した場合でも、短期間できれいに治るのが特長です。
歯を最大限に残すことが可能
エルビウムヤグレーザーは水への吸収性が高いため、軟組織だけでなく、歯や骨、歯石といった硬組織の治療にも使用することができます。
歯科治療に使用されるレーザーは複数ありますが、硬組織への使用が可能なのはエルビウムヤグレーザーだけです。
その特性により、歯をできるだけ削らずに、最大限に残す治療が可能となります。
ストレスの少ない虫歯治療が可能
ドリルで歯を削る際には、不快な振動や音が気になることがありますが、エルビウムヤグレーザーならそうした不快感がほとんどありません。
そのため、ストレスの少ない快適な虫歯治療が可能になります。
Periodontal Effectsエルビウムヤグレーザーの
歯周病への5つの効果
当院の歯周病治療は、エルビウムヤグレーザーと
ブルーラジカルの併用により、
さらなる歯周病菌の殺菌が可能です。
歯肉縁下歯石の除去
歯周ポケット内部に付着した歯石も、痛みや不快感をほとんど感じることなく除去することができます。
レーザーで歯石を取り除けるのは、エルビウムヤグレーザーならではの特長です。
歯周ポケット内の殺菌
歯周病の原因となる歯周ポケット内の歯周病菌を、効果的に殺菌・除去することができます。
菌の数を減らすことで治癒が早まり、歯ぐきは徐々に健康な状態へと回復していきます。
エンドトキシンの無毒化
エンドトキシン(内毒素)とは、細菌の細胞壁に含まれる有害な物質のことを指します。
細菌そのものを物理的に取り除いても、歯の根の表面や歯ぐきにはこの毒素が残ってしまうことがあります。
しかし、エルビウムヤグレーザーを用いて歯周病菌を殺菌することで、エンドトキシンの無毒化も同時に行うことが可能です。
バイオフィルムの破壊
バイオフィルムとは、細菌同士が集まり、しっかりと付着している状態のことを指します。
一度形成されると簡単には洗い流せず、周囲の細菌をガードし取り込みながら広がっていきます。
しかし、エルビウムヤグレーザーを使用すれば、こうしたバイオフィルムを効果的に破壊することが可能です。
歯周外科処置における不良肉芽除去
不良肉芽とは、歯周病菌に感染した歯ぐきのことを指します。放置すると口臭や膿の原因となり、さらに進行すれば骨の破壊を引き起こすこともあります。
歯周病治療では、状態に応じてこの不良肉芽を切除し、健康な歯ぐきへと近づけていきます。
その際にエルビウムヤグレーザーを用いて歯肉を切除すれば、周囲の組織へのダメージが少なくて済み、治癒を早める効果もあるため、見た目の仕上がりも美しくなります。
Cavity Treatmentエルビウムヤグレーザーを
使用した虫歯治療の3つの特徴
できるだけ歯を削らない治療が可能
通常歯科用ドリルで虫歯を削るときは、健全なところも削ってしまいます。虫歯菌は顕微鏡で拡大しても見えないからです。エルビウムヤグレーザーは、健全な歯より多くの水分を含む虫歯を選択的に蒸散(除去)できるため、最小限の侵襲に抑えることができます。(水に反応するレーザーの特性)
殺菌作用により、虫歯再発リスクを軽減
レーザーの熱には殺菌効果があるので(水を吹き付けながら行うので、歯へのダメージはありません)、虫歯蒸散後は同時に殺菌もできています。虫歯菌を最大限に減らすことで、2次虫歯を防ぐことが可能です。
レーザーを当てた部分は、接着剤も付着しやすいため、密閉性が上がります。
お子様にも使用可能
独特な削る音や痛みが少ないため、お子様の虫歯治療、痛みに敏感な方の虫歯治療、初期の虫歯治療にとても有効です。
Root Canal Treatmentエルビウムヤグレーザーの
根管治療の特徴
歯の根の中にある神経の部屋は、大変細く、複雑な形をしています。その中に入ってしまった細菌を除去する際にも、エルビウムヤグレーザーを使用することは効果的です。水に反応する性質を利用し、根管内に水流を起こし、器具が届かないところまで洗浄することが可能です。
Comparisonほかのレーザー機器と
エルビウムヤグレーザーとの
違いについて
歯科治療で使用されるレーザーには、エルビウムヤグレーザーのほかにも、炭酸ガスレーザー、ネオジウムヤグレーザー、半導体レーザーなど、さまざまな種類があります。
レーザー治療は、従来の虫歯治療や歯科の外科手術において、痛みが少ない点が特徴です。痛みの少なさにより、患者様の身体への負担を軽減することができます。しかし、すべてのレーザーがあらゆる治療に適しているわけではありません。たとえば、炭酸ガスレーザーは虫歯予防や歯ぐきの切開、止血には使用されますが、歯周病治療には効果がありません。
重要なのは、各レーザーの特性をしっかり理解し、適切に活用することです。現時点で歯周病治療に効果があると認められているのは、エルビウムヤグレーザーのみです。さまざまな治療に対応できるバランスの取れたレーザーとして、エルビウムヤグレーザーが最も優れた選択肢となっています。
当院では、虫歯治療において、エルビウムヤグレーザーとネオジウムヤグレーザーを、用途や目的に応じて使い分けています。
エルビウムヤグレーザーは、水分に高い吸収特性を持っています。この特性を活かして、歯にレーザーを照射すると、歯内部の水分が反応し、瞬時に沸騰・爆発が起こり、照射部分の歯が粉々に砕けます。さらに、蒸散作用によって、患部周囲の病原体も減少させることができます。エルビウムヤグレーザーによる治療はほとんど痛みを伴わないため、お子様や痛みに敏感な方の虫歯治療にも適しています。歯の表面のみに作用し、削る範囲を精密にコントロールできるため、初期の虫歯から根管治療、むし歯を取り除いた後の窩洞形成まで、幅広い虫歯治療に対応可能です。
一方、ネオジウムヤグレーザーは、歯質の強化を行いながら、初期の虫歯や奥歯の溝の治療、さらには根管治療にも使用できます。酸化チタンを反応剤として使用することで、レーザー光の反射や組織内部への到達を抑え、吸収効率を向上させています。
Q&Aよくある質問
エルビウムヤグレーザーって何?
YAG(ヤグ)レーザーは、歯科治療で使用されるレーザーの中で、唯一「歯を削ること」が認められている機器です。表面のみに反応し、熱の発生が少ないため、人体にやさしく、高い安全性が特長です。
・虫歯の部分だけをピンポイントで削れます
・「キィーン」という不快な音がありません
・「ガリガリ」とした振動もありません
・痛みが少なく、多くの治療が麻酔なしで可能です
・殺菌・鎮痛・治癒促進の効果もあり、治りが早いのもメリットです
治療は痛くないの?
ほとんどの症例で、痛みを感じにくいのが特長です。
麻酔を使わずに治療ができることも多く、麻酔注射が苦手な方にも安心。
さらに、レーザーには殺菌効果もあるため、処置後の回復もスムーズです。
従来のレーザー機器で痛みを感じた原因は、照射時の熱の発生にありました。
しかし、エルビウムヤグレーザーは先端からスプレー状の水を噴出し、冷却しながら照射を行うことで、熱の影響を抑え、痛みを最小限にします。
また、レーザー自体にも麻酔のような作用があるとされ、より快適な治療が可能です。
レーザーは生体の水分に反応し、照射部分の水分が瞬時に蒸発することで処置が進みます。これにより、痛みをほとんど感じることなく、短時間での処置が可能になります。
音や振動は少ないの?
音も振動も、非常に少ない治療方法です。
従来のドリル治療にあった「キーン」「ガリガリ」という音や振動は、誰でも苦手に感じるものですが、レーザーはそうした不快感がありません。
エルビウムヤグレーザーは、ドリルのように物理的に歯を削るのではなく、レーザー光で組織を蒸散(気化)させて削るため、振動はほぼゼロ。
音も静かで、ストレスの少ない快適な治療を受けていただけます。
どんな歯の治療ができるの?
医療機器は、厚生労働省の認可を受けた用途でのみ使用が認められています。
数ある歯科用レーザーの中で、「歯を削ることができる」と承認されているのは、エルビウムヤグレーザーだけです。
▼対応可能な治療内容(一部)
・虫歯の除去
・歯石除去
・知覚過敏の緩和
・歯周病治療・予防
・歯ぐきの黒ずみ・色素沈着の除去
・歯肉の切開・切除
・口内炎・口角炎の処置
・傷口の殺菌 など
歯周病治療・予防
歯周病菌をレーザーで殺菌することにより、炎症を抑え、早期の治癒を促します。
ブラッシング指導や歯石除去と併用することで、より高い効果が期待できます。予防にも有効です。
口内炎・口角炎/義歯による傷の治療
1~2回の照射で痛みの緩和や早期の治癒が見込めます。
炎症を抑え、再発リスクの軽減にもつながります。
歯石除去
歯と歯ぐきの間に付着した歯石を、歯を傷つけることなく除去可能です。
また、殺菌効果により、菌血症のリスク低減にも寄与する可能性が指摘されています。
ヤグレーザー治療のリスク・副作用について
お口の状態や症例によっては、レーザー治療が適さない場合もあります。
詳細は、歯科医師の診断のうえ、個別にご案内いたします。